YUKI˚*









ユリちゃんは



高校でも繋がりのあったあのユリちゃんだ




あたし達は偶然にも、同じ大学に受かっていた



まなみんがいなくて不安だったあたしは


それを知ってどれほど安心しただろう




あたし達は、大学でもすぐに打ち解けた





「レポート、また書き直さなきゃだねー」



ふと、ユリちゃんが言う



その横顔は



「うん、恋愛っていっても…まだちょっと、書きにくいよね…」




少しだけ、切なくて



「うん……」




きっと



あたしも、同じような顔してる








ユリちゃんは



高校で悠斗くんとよりを戻すことはなかった



あんなに二人は幸せそうだったのに



あたしも驚いた







よく


みんなに二人は似てるって言われるけど




それは自分でも思う



見た目は別として



境遇が



似てる





それもあって、あたし達は二人で



一緒にいることで、他の人にはわからないものを



共有しあって



傷をなめ合っていたのかもしれない





といったって



あれからもう時間は確実に過ぎている






前みたいに





思い出して泣くことも



思い出すことでさえ





なくなってる






やっと



思い出にできてるんだと思う





大丈夫



あたしはちゃんと



前に進めてる







そうやってなんとか上手く友達とも付き合いながら



あたしはもう大学4年生







高校を卒業したあの日から





もう、3年が経とうとしていた








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