YUKI˚*








そうだ、悠斗くん



今だけここに来てるんだった




だったら一体、どうやって傘を返しに行けばいいの?



あー




もう、返さなくていいかな?






そんなことを思っていると





「同窓会の案内……?」



そう書かれたハガキが




あたしのポストに入っていたのを見つけた





それは、高校3年のときのクラスの同窓会



つまり、悠斗くんも来るかもしれない




なんだ



じゃあ、そのときに返せばいいじゃん





二人で会うことなくなったけど



それは




ユリちゃんには内緒しておこう







あたしはこっちに住んでから



一度も地元には帰っていなかった




でも、もうそろそろ帰らないといけないよね



親も待ってるだろうし




あたしも


きっともう帰れる






それに会えるのは悠斗くんだけじゃない



まなみんや、川村くんとも久しぶりに会えるんだ




まなみんとは今でも連絡を取り合っている



でも会うことは全然できてなかったから




川村くんのことはまなみんから話で聞いたりはした



二人は同じ大学



川村くんとも久しぶりに会って話したいなー





ふふ、結構楽しみかも








このハガキが



少しだけ





あたしを揺り動かすなんて





まだ



わからない








< 139 / 172 >

この作品をシェア

pagetop