YUKI˚*







朝から教室には来ないで、ここでずっと寝てたのか




まったく……




でも


ちゃんと学校来たんだ




「……………」




起こそうとして伸ばした手を




引っ込めた




須嶋くんはスースー寝息をたてて本当に気持ち良さそうで




本当に綺麗で……




まつげが長くて、鼻はスッとしてて


男の子なのに、女の子より綺麗なんじゃないかな




ズルい




ズルいよ





こんな人が不良なんて……







そっと、顔に手を伸ばす




「んー……」




!!!??



いきなり声を出した須嶋くん




……あ、なんだ寝言か




びっくりしたー!



起きちゃったかと思った…




いや、起こさないと



起こして言わないと…




心臓がバクバクいってる




やばい、このままだとあたしがおかしくなる




あたしは須嶋くんに向き直った




「須嶋くん……」




呼んでも返事がない




スースーという寝息




「起きてよ、話があるから」



起きない


顔色ひとつ変えない





…でも



こっちの方がいいかもしれない




あたしは




「あのね、昨日のこと……間違いだったの」




ズルい



寝ているときに言うなんて



言ったことにするなんて




「あたし、あなたとは付き合えない」





あたしこそ、ズルい







え……




須嶋くんの頬に雫が




……泣いてる?




今の聞こえてた?



でも、須嶋くんはピクリとも動かない







…あぁ、違う




あたしだ


あたしの涙が須嶋くんの頬に落ちた




あたし



なんで泣いてるの?




あたしに振られたら須嶋くんは



泣くかな…






あたしはそのままずっと須嶋くんの寝顔を見てた




どれぐらいそうしていただろう


もう、体育はきっと終わってる



まだ須嶋くんの頬には




あたしの流した涙が




あたしはそっと須嶋くんの頬を拭った







ぐいっ




「きゃっ!」



「無防備だなー」





気付いたらあたしは



須嶋くんの体にすっぽり収まっていた




「え、えっ!起きてたの?!」



「うーん、今起きた」




あ、なんだ……良かった



って、良くない!




「ちょっ…離してー!!」



「えー?どーしよーかな」




もうこの人


ダメだ……



完全に面白がってる



必死にジタバタするけど


男の人の強い力に勝てるわけない




それどころか、須嶋くんはもっと強く抱きしめてくる




恥ずかしさで体中が熱くなって



顔だってきっとすごく赤くて



そんなの、この距離で絶対見られたくない





あたしは須嶋くんの胸に、顔を埋めてしまった




「はは、可愛い」



そんな簡単に



かわいいなんて…




胸が苦しくて



熱いのは




恥ずかしいからだよ





須嶋くんが抱きしめたままあたしの頭を撫でる



ドキドキするのに



あれ


なんでたろう



なんだか少し、落ち着いてしまった






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