YUKI˚*








また、白川に怒鳴られてしまった



いやいや、だってしょーがない


俺はさっきからかなり我慢してる




正直、女と二人きりで部屋にいて



何もしないなんてことが今までなかった




だから、本当に無意識に



手は白川に触れようとする




今さっきだって、白川が俺の教科書を覗き込んできて



こいつ、本当無防備だなー


とか思ってたら



俺はまた白川に手を伸ばしそうになって




慌てて引っ込めて視線を外すと



白川から冷たい視線を浴びた





本当は


勉強なんて口実で




じゃあ俺は何のために白川の家に来たんだ




……手ぇ出そうとしてたんじゃねーの?




じゃあなんで我慢してんだ?





何してんだよ、俺



けどやっぱりまだ




白川には触れていけないと



なぜだか優が頭にふと浮かんで






けどこいつ、なんか甘い香りがするんだよなー…




「ゆきちゃん、香水何つけてんの?」



「……は?今それ関係ないよね?」



はは、キレてる





「てゆーか、やっぱり近い!こんな密着したら勉強できないじゃんっ!!!」



そう言った白川は



顔が赤くて




わー、 やべぇ……




「もー無理」



「え?」



俺は…








これ以上白川の隣にいるのは


俺が抑えられない




そう判断した俺は、白川の向かいに座り直した



俺今…やばかったよな


「……?」



少し首を傾げてから



「じゃー始めよう!」



白川がそう言って、やっと勉強会が始まった













______……




「そろそろ休憩しない?」



「ん?そーだな」



時計を見ると、もう3時間ぐらい経っていた




「何か飲み物持ってこようか?」



「お、さんきゅー」



白川が部屋からいなくなる


と、同時に俺は大きなため息を着いた




はぁー…よく耐えた、頑張った、俺!



白川から教えてもらった事なんか全く頭に入ってねーけど



なんとか理性を保ち切れた


所々やばかったけど…



よし、このまま後半戦も頑張ろう





決意を新たにすると、ちょうどコップを両手に持った白川が戻ってきた




「麦茶でよかった?」


「ん、ありがと」



そう言って白川からコップを受け取ろうとして




今まで我慢して、きっと手に汗かいてたから



コップは軽々と俺の手から滑り落ちた



「わっ……」



落ちていくそれを



白川は掴もうとして





麦茶が床に勢いよくこぼれる



そして俺の上に覆いかぶさる



ガタッ…





白川が






ーーーもう、限界。




< 20 / 172 >

この作品をシェア

pagetop