YUKI˚*







なんで




そう思わずにはいられなかった



心の中にモヤモヤしたものが、だんだん増えていってる気がする




でも




信じるって決めたから



あたしは待たなくちゃ



須嶋くんが自分からあたしに話してくれるのを



いつか話してくれるのを





いつかって




いつかなぁ…







「…うーん」



アクセサリーショップで一人唸るあたし


目の前には男もののネックレス




川村くんには、誕生日祝うなって言われたけど



彼女なんだし、やっぱりちゃんと祝ってあげたい





プレゼントあげるぐらい、いいよね?



そしてプレゼントを渡すとき




須嶋くん、話してくれるかな…








一つのネックレスを手に取る



「うん、コレにしよ」



シンプルだけど、須嶋くんみたいな人が付けたらカッコいいと思う




須嶋くんが付けてくれるのを想像して、顔が綻ぶ




あたしはすぐにレジにソレをもっていって



可愛くラッピングしてもらった




ソレを受け取って、あたしの胸は高まる



さっきまでちょっと暗い気持ちだったけど


なんか、ドキドキする



人のプレゼントでこんなにドキドキするなんて、初めてかもしれない




今すぐ渡しに行きたい衝動に駆られる



でも我慢がまん




誕生日までは黙っておかなくちゃ



それでその日にサプライズで須嶋くんに渡して




お祝いの言葉ぐらい、言ってもいいよね?



お誕生日おめでとうって言って…






須嶋くん



喜んでくれるかなぁ








だけど


須嶋くんの誕生日の日




須嶋くんは学校に来なかった







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