YUKI˚*








短い冬休みはあっという間に終わってしまった




「ケンがおかしいって?」



「うん」




初詣でに行った後も



何度か須嶋くんとは会ったけど




やっぱり須嶋くんはおかしかった





「あー…そういえばもうすぐだ」


思い出したように言う川村くん


「何が?」



「ケンの誕生日」




須嶋くんの誕生日?!



うそ!あたし全然知らなかった


彼女失格かな…




「そっか、教えてくれてありがとー川村くん!」



そう言って川村くんと別れようとすると


腕を掴まれた




びっくりして、すぐ振り返ると



不思議そうな、納得いかないって顔をした川村くん





「聞かないの?その、なんでかとか」



あたしは川村くんを見つめた




掴まれた腕は離れないまま



優しく握ってくれていたけど




少し痛かった




「……気にならないわけじゃないよ?何かあるんだろうなって事も、わかってる。でも…」



「でも?」




川村くんの目は真っ直ぐにあたしを映す




「信じてるから、須嶋くんのこと。自分から言ってくれるのを待つ」



そう言い切ると


川村くんはゆっくりと、手の力を緩めた





そうだ




言葉にして思った




あたしは須嶋くんのことを信じてる



須嶋くんに、抱えてる何かがあって



たとえそれがどんな事だとしても




あたしはちゃんと受け止める






「須嶋くんの誕生日プレゼント、何がいいかな?」



川村くんは


心配してくれてるんだ




あたし達が付き合うときもそうだったね




優しいんだ



「……誕生日は祝わないほうがいい」



「………え」



そう言って



川村くんはあたしから離れて行く




「そっとしといてやって」







………なんで?










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