YUKI˚*






「…え?!なんでまた泣く?」


「うぅーーっ…」



須嶋くんだ



いつもの須嶋くんだぁー…




安心してしまったあたしは、そのまましばらく須嶋くんに抱きついていた










「ーーで?なんで来たの?」



さっきの部屋とは違う、少し小さな何もない部屋に連れて来られて


あたし達は向かい合って座った




「あの…今日須嶋くんの誕生日でしょ?だから…」



そう言って、あたしは紙袋を須嶋くんに差し出した



須嶋くんは一瞬だけ驚いたような顔をしたけど


少しその紙袋を見つめて言った



「……開けてい?」



「…うん」





須嶋くんの手によって開けられた袋の中から


あたしが選んだあの、ネックレス




すると、すぐに須嶋くんはソレを首にまわしてつけた





びっくりした





「……ありがとう」




そう言った須嶋くんの顔も声も



とてもやわらかくて


嬉しそうで



ネックレスが光って


優しく笑う、あたしの大好きな人




もう、それだけで


あたしも嬉しくて


胸が苦しかった









「でも、ここら辺は危ねー奴らがいるから、もう来ちゃダメだ」



断言するように、そう言う須嶋くん



心配してくれてるんだよね




でも、まだはっきりしてないことがある





「……須嶋くん、あの部屋は何?」



かなり思い切って聞いた


見てしまった以上はもう



知らないふりはできないから




「……………」


でも、須嶋くんは何も答えてくれない



なんで


何も言ってくれないの?




「…須嶋くんがやったの?」



須嶋くんはゆっくりと



あたしの顔を見つめた




「そうだよ」









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