小形寄生物
「でも、俺達をこんな身体にしたのは、お前達人間だ」
 携帯は続ける。
「俺達を便利に使える為に改造した人間は俺達に無理難題を与えた。その副作用だな。このフェロモンは。若しくは、人間の自家中毒か」
 厭味たっぷりな口調はまるで慧眼の士のようであった。
 携帯の理論には納得は行く。というより真実であろう。だが、この携帯が人間なら俺はこの人間とは関わりを持たないだろう。
「やっぱり、俺はお前が嫌いだ」
 手に持った携帯に俺はそう断言した。
「…………」
 その時、携帯からの応答はなかった。
 それから、俺と携帯は会話をしなくなった。
 しなくなったと言うより、会話が出来なくなった。
 俺の携帯はたまに独りでブツブツ呟くことはあるが、俺が話し掛けても返答はなくなった。
 俺の携帯から知った『携帯電話』の真実。
 副作用にせよ、自家中毒にせよ、生き物である『携帯電話』は俺達をどうしようとしているのだろうか?
 『携帯電話』は答えてはくれなかった。





 
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