Only One──君は特別な人──
「あの…。えーっと。昨日はかおりちゃんとのこと、一方的に責めたりしてごめんね」

あたしは言葉を続けた。

「過去の出来事責めてたりして、悪かったかなって反省してる。それにこっちだって竜くんと会ったりして、貴広に不愉快な思いさせてるのに人のこと言えないっていうか…」

「昨日のことなもういいよ。オレは怒ってないから」

貴広の優しい笑顔にホッとする。

「──それに悪いのはオレの方だし」

「そんなことない!」

「そんなことあるよ。こうなる前に神戸を突き放しておくべきだったよ。そうすればもえは嫌な思いせずに済んだと思うから」

「貴広、優しいからかおりちゃんを突き放すこと出来なかったんでしょ?」

「でも、ついさっき突き放しただろ? あの子はプライドをズタズタするのが一番かと思ったんだよ。昨日、もえから連絡が来るのを待ちながらどうするべきか考えてた」
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