Only One──君は特別な人──
公園に向かう途中、かおりちゃんが大野さんにベッタリな姿が目に入った。

2人は肩を並べて一緒に歩いている。


「──ねぇねぇ、かおりちゃんっていつから大野さん狙いになったの?」


由美子が声をひそめて聞いてくる。


「さぁ?」

「焼き肉屋さんにいる時は、あんな感じじゃなかったのに」

「そうだね。確か席も離れて座ってたしね」

「いいの? もえ?」

「な……何が?」


首を傾げてしまう。


「かおりちゃんに大野さん奪われちゃうかもよ」

「別に構わないよ」

「あんたって子は……。あたし言わなかった? あいう人がいいよって」

「言ったけど。あくまでも大野さんみたいな人でしょ?」

「そうだけど。せっかくすぐ近くにいい人がいるのに」
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