Only One──君は特別な人──
由美子がそう言った時──ちょうど公園に着いた。

キラキラとカラフルに点灯しているクリスマスツリーが見えた。

近くまで行こうとしていたけど、あたしの足は途中でピタリと止まった。



だってこの世で一番見たくないものを見てしまったから。


人違いだと思いたかった。

そっくりさんだと思いたかった。


でも、どう見ても竜くんだった。

紛れもなく竜くんだった。


黒髪のよく似合う美女と手を繋いで、クリスマスツリーを見ていた。

あの人が本命の彼女なんだ……。










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