Only One──君は特別な人──
「どうしたんだよ? オレが来る前から泣いてたみたいだけど?」

気付いてたんだ。あたしの泣き顔に。

「すみません……」

謝りながら涙を拭う。


「──とりあえず、場所変えようか? ここ寒いだろ?」

「大野さん、あたしならタクシー拾って帰りますから。なのでみんなのところに戻って下さい。この後どこか行くんでしょ?」

「そう言われても、泣き顔まで見せられて、はいさよならなんて出来るかよ」

「大野さん優しいですね……」


由美子の言う通り。

大野さんみたいな人を選べば確実に幸せになれるんだ。
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