Only One──君は特別な人──
素直に大野さんの優しさに甘えてしまう。



喫茶店を出た後、ここから一番近いカラオケへ。

でも、週末ということもあってか開いている部屋がないとのこと。

あっさり諦めて外へ出ると、冷たい風が吹き抜けていく。

夜の遅い時間、気温がぐんと下がっている。


「どうする?」

「とりあえず、温かい所行きたいですね」

「それは同感だな」

「満喫って近くにありましたっけ?」

「言われてみればないかもな」


あたしと大野さんは、こんな話をしながら肩を並べて歩く。


「あの、さ」

「はい?」

「えっと……」

大野さんが口ごもっている。

どうしたの?







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