Only One──君は特別な人──
「──水谷が嫌じゃないなら、オレん家来ないか?」

「大野さんの家に?」

「あっ。いや、水谷が嫌ならいいんだ。どこ行こうって話してる間に時間は経っていくし、寒いだろ?」

「寒いですね」

「誤解すんなよ。家に連れて行く口実とかじゃないし、下心があるわけでもないし……って言うと、何か余計怪しく思われそうだし……。こいうのってセクハラになるのか? いや、ならないよな……」


最後の方はしどろもどろになりながら言う大野さん。

自分で自分に問いかけまでしてるし。

そんな姿にあたしは吹き出してしまった。







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