Only One──君は特別な人──


あたしはあっという間に完食してしまった。

シャンパンも甘口でとても飲みやすいものだった。


焼き肉を散々食べて、ケーキも食べれるって。

甘いものは別腹。うまく言ったもんだよね。


「みんなで焼き肉食べたことより、水谷とケーキ食ったことが印象に残るクリスマスになったよ」

「あたしもです。今日のこと忘れません。大野さんがいなかったら、今頃1人でひたすら泣いてました」

「……」

「今日、ある人と会う約束してたんですけど、キャンセルされたんです。挙げ句の果てに…」


あたしは下唇をぎゅっとかみしめた。涙を堪えるために。










< 40 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop