Only One──君は特別な人──
「でもさ、オレみたいないい男を部屋に上げてるんだし、もえの両親も許してくれるよ」

「何それ~? いい男って普通自分で言う?」

背けていた顔を貴広の方に向けた。


「両親っていえばさ、オレもえのこと親に話したから」

「えっ?」

「実家帰った時、母さんが同級生の誰々が結婚したとか…そんな話をしてくるんだよ。
それでオレにはそいう相手はいないのか?みたいな話になったから、もえのこと話したんだよ」

「どんな風に?」

「『オレとしては将来のことを考えてつき合い始めた彼女がいる』って──」

「……」


将来のことをってことは…

それは結婚を示唆しているんだよね?


「ごめんな。勝手にこんなこと話して。もえはまだ若いからこいうの重たいよな?」

「重たくないよ。嬉しいよ!」


あたしの瞳から涙が溢れた。


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