あの日の恋を、もう一度



*おまけ*





「えっ、麻衣って、長田くんと付き合ってたの?!」




後日、私たちは学校帰りに会うことになった。

私は長田くんと、麻衣は河合と共に待ち合わせ場所まで来ていて。




「そうよ?だから頻繁に淳也【じゅんや】から絢芽のことは聞いて、河合に情報は提供していたってわけ」

「…長田くん、そんなこと一言も私に言ってくれなかったよね」

「ワリぃって。けどそんなん言ったら、『今すぐやめて』って言うだろ?」




道理で偶に麻衣と連絡を取ってもよく知ってるなあって思ったわけだ。

麻衣は、してやったりというような表情で私を見る。




「…麻衣も麻衣よ!」

「だって、絢芽のことが知りたくて知りたくて仕方がないあなたの恋人が私にどうしてもってお願いするから―――」

「おい、遠藤!」



麻衣を止める河合。

そしてそれを見て、クスッと笑ってしまった私。
それに気づいた河合は、私を少し睨む。



「ごめんって…っ」

「…笑ってごまかされると思うなよ…」

「…ふふっ、だっておかしいんだもの。私が知らないところでこうして3人で会って、私の話をしていたのかと思うと」



『こうやって、麻衣に冷やかされていたんでしょう?』と。
私は河合に問う。

強ちそれは間違っていなかったようで、河合はさらに私を睨む。



…ああ、もう。
今、途轍もなく幸せだ。


こんな幸せがずっと。

ずっと、続きますように。




*END!*




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