大好きなんだよ!!



「…あ、こちらこそ。」


そう言い、落ちていた携帯を拾おうと地面を見た。



「……ん?」



そこには携帯が2台。


しかも、二人とも同じ会社の同じ機種の同じデザイン。


どっちがオレのだ!?



確かめたいけど、開いた携帯が相手のだったら失礼だよな……




迷った結果、オレは手前にあった携帯を女の子に差し出した。



「はい。」



女の体がビクッと反応する。



…そんなに?


オレってそんなに怖く見えるのか?



女の子からおそるおそる差し出された手。



その手にそっと携帯を置く。



「―…オレも同じ携帯です。それじゃ。」



そう言って、優しく微笑むと制服についた砂を手で払いながら立ち上がった。




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