砂漠の舟 ―狂王の花嫁―(第二部)

刹那、リーンを犯す男の指が、彼女の両手を掴んだ。


「そうだ。なぜ、さっさと私を呼ばぬ。――これは、私の呼びかけを無視した罰だ」


それは紛れもなく愛する夫、サクルの声だった。


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