初恋少女の白と黒
初恋
「俺はお前のこと、好きだから。」

そんなことを言われたのは一体いつぶりだろう。目の前で耳までタコのように赤くなっている綾崎遊斗を見ながら私はそんなことを思った。

私はモテる方ではないし、特にずは抜けて優れているところはない。クラスの中では目立たない部類に入ると思う。

異性の友達も、目の前にいる彼を含めても数える程しかいない。

そんな私が今、彼に告白された。

その告白によって、自分の胸の奥でなにかがハジけた気がした。

もう普通の友達には戻れない。私の答え次第で、他人になるかもしれないし恋人になるかもしれない。そうを考えると、不安になると同時に胸が高鳴った。

「ど、どうして?」

彼のことは嫌いじゃない。一緒にいると楽しいし、見た目もかなりカッコ良い。同じクラスの女子の中でも、彼はかなりの人気者だ。どうして私なんかに告白をしたんだろう。私以外にも

可愛い娘は沢山いる。単純に私は知りたかった。

「…いつの間にかに、好きになってたんだよ。理由なんてない。」

友達として何年も付き合ってきたけど、彼のこんな表情を見たのは初めてだった。その表情を見ていると恥ずかしくなってくる。とても直視出来ない。こんな真剣な表情、クラスの女子達は知っているのだろうか。

「そっか、理由はないんだ。」

単純に好きになっていた。気づいたら私のことを。私に向けられたその感情は、私の感情まで染めていくようだった。好きって言われたから好きになる。まるで命令通り動くロボットのようだが、彼の投げた感情はとても嬉しいものだった。周りのことが見えなくなるくらいドキドキするし、何かが満たされる。

だから私はこう答えた。私にも明確な理由なんてない。ただこの真剣な表情に惹かれたから。

ただそれだけ。

「うん、いいよ。」

私に恋人が出来た。



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