─激愛─
だけど、そんなの一時にしかすぎなくって彼はどんどん私を道具として扱うようになった。






「これなら憐の時の方がましかなー」






なんて、冗談半分に口に出して言ってみたけれど本当は憐のことは今でもトラウマ。







「私付いてないんだなー。」






なんて今更分かりきったことを車の中で当然のように声に出してしまうなんて、完全にイタい大人だけど…。






日が落ち始めて赤くなった空をチラ見しながら前方に見える少し大きい2階建ての家を見つけ、車をユーターンさせて駐車スペースに入れて車を降り玄関へと歩く。






「ピーンポーン」







チャイムを押すとありがちな音が鳴って少し微笑する。







「はーい。って、お姉ちゃんなんで笑ってんの。」







思ったよりも早く出てきた鈴に驚きつつも手遅れだと分かっていながらも笑うのを止める。







「鈴ー、助けてー!」






とりあえず、こういっておけばなんとかなるだろう。と少し安心しつつも家の中へと入っていった。
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