深淵に棲む魚


 男が去って扉が閉まると、捲れ上がった布団の内側を見つめ、「ああ」と溜息した。




 本当は、とっくに分かっていた。



 曖昧だった記憶も既に鮮明だった。





< 31 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop