あの時とこれからの日常
「黒崎先生っ、おはようございます」

次の日、出勤後にコーヒーを入れているとしるふよりもさらに小さい、

でも行動が時々研修医の時のしるふにそっくりな園田が近寄ってきた

「おはよう」

淹れ終えたコーヒーを一口含み、やっぱりちゃんとドリップした方がおいしいな、なんて思う

「同期たちにはちゃんと言っておきました」

にっこりと向けられる笑顔が、本当にしるふそっくりだ

「そう」

「はい。黒崎先生には、綺麗で可愛くて、とーっても大切にしてる彼女さんがいるって」

二人の間に入る隙間なんてどう頑張っても作れやしない

「…女除け程度の彼女で大丈夫だったんだけど」

色々と語弊があるような気がしてならない

「とか言ってるとまた立花先生怒りますよ?」

「拗ねてるんだろう。それにいちいち振り回されるほどマメじゃないし、気にするほど余裕がないわけでもない」

どうせさびしがり屋の彼女は、少しするとあっちから近寄ってくる

さも何もなかったような顔をして
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