あの時とこれからの日常
「ま、それは置いといて。で、不安になるかって?」

「うん」

一度離れた手が、今度は優しく頭をなでていく

「たとえば不安になったとして、それがいつも取り越し苦労に終わったとしたら、3年も経てば気に留めなくなる」

その結果が今だ

それは、海斗も不安になってた頃があったってことか

「じゃあ、質問を変えよう」

「しるふが離れていくことになってもいいのか、とか?」

あるいはしるふから離れていくことか

聞きたかったことを言い当てられて、少しの躊躇の末、しるふは小さく頷く

「その時はその時」

なんとらしい回答だろうか

「そうならないように抵抗しようとは、思わない?」

「無理な努力は逆効果にしかならないだろう。無理して笑ってるくらいなら潔くわかれる方がお互いのためかと」

「…さすが来る者拒み、去る者追わずな海斗君だね」

嫌味を込めて放った言葉に、海斗が小さく鼻で笑う

「安心しろ、しるふ相手なら追ってやるから」

「どうしてこういう時も上から目線かな」

それでもうれしさを覚える自分こそどうしようもない
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