あの時とこれからの日常
「あー、でも、ホントおいしー」

両手でおわんを持って味噌汁を口に含むしるふが、背もたれに寄りかかりつつほっと告げる

味噌汁ひとつでそこまでありがたがられると作りがいがあるな、と思っていると

「2週間ぶりの海斗の料理は身に染みるねー。海斗の料理なら毎日、毎食食べても良いよ。私」

さらっとしるふが笑顔を向けてくる

「お望みならそうしてやろうか」

さすがに毎食は無理だが、海斗自身料理をすることは苦ではないので休みの日なら作ってもいい

「うん、そうしてー。これからもずっとそうしてよ」

にこにこと笑うしるふの笑顔と言葉に、

「……」

おわんを持った海斗の手が止まる

「…ん?どうしたの、海斗」

その様子に気が付いて不思議そうにブラウンの瞳が向けられる

「……なんでもない」

この無自覚女めが…

ふっと息をつきつつ止まっていた動きを再開する海斗に、少し不満そうな声が響く

「えー、何よー。言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ」

そうやって一人ため息つかれるのきらーい

「じゃ、言うけど」

うん、としるふが聞く体制をとる



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