あの時とこれからの日常
「そろそろ丸一年」

今思い出してもいろいろあった一年だった

「いいころあいだと思うよ。一年、付き合ってみました。でもあなたとはやっていけそうにありません。さようなら」

どう?これ?

舞台風にセリフを読み上げた飯田が、得意げに聞いてくる

「いいんじゃない?彼氏さんの前で言ってあげなよ。ドキモ抜かれて泣いてすがりついてくるって」

海斗はたぶん、「そう、わかった」の一言で終わりそう

所詮その程度か…

はあ、とため息をつくしるふに

「しるふってさ、相手のこと考えてどツボにはまるタイプ」

時には衝動的に動くのもありだと思うよ

「許してくれるとか、迷惑だとか考えないで、自分がしたいようにしてみる。それで少し相手がどう思ってくれてるのか、わかるじゃない」

「なんか、試すみたいだね」

「口できけないなら態度で示してもらわないと。それと、」

一度言葉を区切った飯田は、

「何回か言ってるけどさ、黒崎先生はしるふのことちゃんとわかってるんだと思うよ」

それを知るふが気が付いていないだけで
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