gardenquartz 小さな楽園

fightattack

Twinsは真っ直ぐジェシー達の洞窟に歩いて来た。
ジェシー達は近付いてくる距離を同じくらい洞窟の奥にジリジリと後退した。


Twinsが洞窟に入ってきた。
マーニーはレースの傘を綺麗に畳んで、ジェシー達に挨拶をした。

『あら？見た顔だわ。施設に居たわね。御機嫌よう。御二人さん。お元気だった？
１人足りないけど…。』


ジェシーは舌打ちをした。


アーサーの口が開いた。
『久しぶりの再会なのに、随分とつれない態度だね。二人ともアソコで戯れていたけれど、元気そうで何よりだ。』


Twinsはクスクスと笑っていた。


ジェシーとベラは何時でも応戦できる態勢を崩さずベラがTwinsに言い放った。

『アンタ達はここで死ぬの。私達と一緒に。』


アーサーとマーニーは顔を見合せて微笑んだ。
まるで笑い話を聞いて笑っているかの様に。

マーニーが２人に向かって言った。
『貴女達はもう、サラブレッドに会ったのかしら？』

尽かさずベラが言った。
『サラブレッドって誰の事よ！！』


アーサーがやれやれと言う素振りで答えた。
『碧木だよ。彼女にはもう、会ったのかい？』


ジェシーが憎々しく答えた。
『アンタ達には関係無い！！』


ジェシーはベラを見た。
ベラは頷きポケットに忍ばせていた
ボタンを押した。


洞窟の入り口が爆発音と共に崩れて
入口を塞いだ。
ジェシーとベラは暗視ゴーグルを装着して入口付近に居る筈のTwinsを見ようとした。


向いた先にTwinsは居なかった。


『私ならここよ。』
ベラの直ぐ背後にマーニーが悪戯っぽく言った。


ベラは振り向き様サバイバルナイフを
マーニー目掛けて振り降ろした。


手応えがあった！


『ッツ！』
ゴーグルで見たものは、自分の刃物が捕らえたのはマーニーではなく、ジェシーだった。


マーニーの白い手はジェシーの襟首を掴み、ベラとマーニーの間にジェシーを盾にしたのだ。


ジェシーは首の後ろをマーニーに掴まれ、もがいている。
右腕から黒いシミが広がっている。
ベラが振り降ろしたサバイバルナイフの傷だ。


ジェシーが叫んだ。
『ベラ！私ごとコイツを撃って！！早く！！』


ベラはその声に反射的に、ライフルを撃った。


『キャッ！！』


ベラの撃ったライフルの弾丸はジェシーを突き抜けマーニーの腹部に命中した。


『マーニー！』

アーサーが叫びながらベラ目掛けて銃を撃った。


ベラの眉間に深紅のシブキが一瞬広がり、ベラは後ろに倒れて２度と動かなかった。


ジェシーは体を反転させて、マーニーをガッチリ抱き抱えた。
そして、ニヤリと笑いマーニーの耳元で囁いた。

『アンタだけでも地獄に付き合って貰うわよ…。』


ジェシーは手榴弾のピンを口で引き抜き、もがくマーニーを最期の力を振り絞って抱き抱えた。


『アーサー！！早く何とかして！！』
マーニーはアーサーに向かい叫んだ。


Twinsは暗闇でも関係無く、モノが見えた。
兄のアーサーは少し残念そうな口調で優しく言い放った。


『マーニー。君を失うのは心残りだけれど、仕方がないね。さようなら可愛いマーニー。僕はここを離れるよ。』

そう言うと、洞窟の更に奥に去った。

『アーサー！！お兄ちゃん！！私を見捨てるの？！』


ジェシーが苦悶の表情を浮かべていたが、口を歪ませ笑いながらマーニーに言った。


『マーニー。さぁ一緒に行くのよ…。』

その瞬間ジェシーとマーニーの体から光が飛び散り、手榴弾の凄まじい音が洞窟内に響き渡った…。



マーニー、ジェシーそして、ベラの体は跡形もなく吹き飛んだ…。


アーサーは素早く洞窟の物陰に隠れて、爆風をかわした。


洞窟の中が静寂を取り戻したときには
アーサーは洞窟から抜け出していた。



その爆発弾は島全体に聞こえ広まった。



アーサーは何事も無かったかの様に鼻歌を歌いながら、洞窟の外に出ていた。