gardenquartz 小さな楽園
島から1番近い米軍基地にヘリは着陸した。

それからは慌ただしくて、あまり覚えていなかった。

碧さんとキャットは米軍基地の医療施設に収容されて、傷の手当てを受けながら、島での事を軍の奴等に聞かれていたらしい。

修利のオヤジのアルフレッドは今回の作戦の報告をするためそのまま本国の米軍審査会に向かった。


俺と修利は何も知らない一般の参加者だと言うことで、片付けられて、そのまま釈放になったので、日本に帰国した。


世間ではただ、個人所有の島で爆発事故が起こり、島の所有者であるジョナサン死亡のニュースが小さく新聞に載っただけで終わった。



日本に帰国した俺達…。
日米の関係の計らいで、パスポート云々の事は今回は闇に埋もれた。

飛行機が日本に着陸し、人々が飛行機から銘々降りて、広い空港に向かった…。
段々現実の世界に戻って行く感覚。
空港内のざわめき、人々ののんきな声、小さな子供が走り回っている平和な空間。


俺は修利を見た。
修利も回りをゆっくり見回して俺を見た。
多分俺と同じ気持ちなんだと思う。


たった1週間の出来事だったのに、俺達は今までのモノの見方が変わってしまった…。
でも、それで良かったのかも知れない。
否、そうなって幸運だと思った。
俺は胸に下がったディーンから貰った銀の飾りを握り締めた。
冷たい感触。


俺達は徐々に【普通】の日常に戻っていくだろう。


俺達は空港で分かれ各々の帰るべき家に向かった…。







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