もし僕がロボットになっても
寒さが増してきた頃、潤平は琴美を連れて街を歩いていた。
琴美と一緒に行った12月のメリークリスマスはイルミネーションが綺麗だった。
記憶の中でふいにあい子を思い出した瞬間だった。
あい子は僕を置き去りにして、僕はひとりぼっちのクリスマスをすごしたんだ。

そういえば、あんなとこにも行ったよな…

潤平は余韻に浸っていた。

そう今年は琴美が側にいてひとりぼっちで過ごす寂しさがなくなった。
二人でメリークリスマス。

僕は琴美にこんな言葉を言ったんだっけ?

やっと忘れることができたよ。

そんなふうにも言ったっけ…

誰のことを忘れているのか現実と理想が交差してよくわからないでいる潤平だった。
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