もし僕がロボットになっても
僕はこの日から自分の家に帰ることはなくなり、複数人の女の家を渡り歩いていくこととなった。
度重なる嘘は毎日の僕を追い詰めていく。
だけれど、それはいつしか本当のように、過去の記憶を消すかのように偽りに偽りを重ねるのが当たり前になっていく。

自分の借金を減らすために利用できるものは利用していく。それが僕が生きていく生き方で、世界が僕を中心にまわり、僕のために誰かが責任をおう。それがずっと当たり前になっている僕と、僕が冷たくすれば泣いている他人。
だけど、なぜだろう?
僕にはわからなかった。どうして泣いているのか。どうして人が離れていくのかが。
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