もし僕がロボットになっても
完全に金を稼ぐための道具としての発言をされると同時に、気がついていながらも、きっと違うだろう。そう思い込んでいた理想が一気に崩れ落ちた瞬間だった。

私はモノ
私はガラクタ…

琴美は自分の部屋に閉じ籠り、枕を濡らした。

こんな家、もう出てしまおう。
こんな場所に住んでいることが苦しい。
誰かに指差されながら生きていくのは、他人の顔色を伺って生きていくのは窮屈すぎて苦しい。
私が悩んでも周りはみんな笑ってる。
笑えないのは私だけで、だれもわかってはくれない。苦しい。

否定されること、指差されることが何よりも自分を苦しめてしまっていた。

もう、逃げちゃえよ。

そんな心の声が琴美を動かした。
もうこんな街をでていこう。


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