キミの空になりたい


「あ、これこれ。やっぱり買っちゃおうかなー。お揃いになるけど」


「全然いいよー。お揃いの相手が私なんかでよければ」


「えー、じゃ、買っちゃう。ちょっと待っててー、買ってくる」



私と色違いのペンケースを手にして、涼子ちゃんがレジへと向かう。


その後ろ姿を見ながら、思わずクスッと笑ってしまった。


ペンケースの棚から、違う場所へと移動する。


雑貨屋さんって、見ているだけで楽しいから好き。


こんな風に雑貨に囲まれた生活って、ステキだろうなぁ……。



「……あ」



店内の色々な場所を見て回っていたら、見つけてしまった。


小さな野球ボールのついた、キーホルダーを。


< 202 / 341 >

この作品をシェア

pagetop