【短編】ばいばい
毎週金曜日は、俺の1番!大切な日。
美優の家デート♪
これも美優が真っ赤になって、
『家……寄らないかな?』
なんて言ったのがキッカケ。
今日も、美優ん家♪
浮かれてるのをバレないように冷静を保つ俺。
……でも何か美優が変。
ソワソワしてる気がする。
俺が気付いた小さな疑問の答えは、美優ん家に着いたら簡単に出た。
「別れ……ない?」
……え!?
まじで?
俺、何かした?
なぁ……美優?
俯く美優は、少し震えてて。
「いーけど?」
全然よくないけどっ!
美優の口から嫌いになったとか、好きな奴出来たとか、聞きたくなかった。
この場から早く去りたくて……足早に玄関に向かったのに。
美優に謝られた。
……俺、寂しい男に見えた?
格好悪くて。
つい、いつもの口が軽く出た。
俺は、俺は……。
「ばいばい」
だけしか……言えずに外に出たんだ。
……うぁ。
ヤベ……泣きそーだし。
だっせー!
ダサすぎるよ、俺。
どんだけ好きなんだよ?
別れたくねー……。
あ゙ぁぁぁぁぁ!
ダサイんなら最後まで、ダサくなればー……。
俺は、今来た道を走って戻った。
深く呼吸を吸って、チャイムを鳴らした。