三次元男子、攻略法。
そんなある日。
T君が私のことを好きだという噂が流れ始めた。
その途端、いつも一緒にいたグループからはハブられ、周りの男子にはT君と二人して茶化される。
とどめの一発は、T君の放った言葉だった。
—————「 」・・・
「おーい。そろそろ席着けー」
ガラっと大きな音を立てて入ってきた担任のおかげで、過去に飛んでいた記憶が戻ってくる。
・・・・・いやなこと思い出したなー。
さっきまで海人先生を攻略しようと意気込んでいたテンションはガタ落ち。
一旦ゲームを保存して、スマホをしまう。
そのまま、はぁぁぁ、とため息をつく。
なっちゃんはあたしの意識が過去に飛んでいる間に席に戻っていたようだった。