『アナタさ、』


だって、彼は今まで通り、無表情なんだもん。
誰かに何を言われても、笑ったりなんかしない。

たまに、“邪魔”っていうくらいで、喋ったりもしない。

それでも、女の子はみんなはしゃいでるんだ。
クールなのがいいんだとか、自分だけに甘えて欲しいだとか。

そんな子達を見てると、あまりいい気はしない。

「ハル?何怖い顔してんだ?」

目の前には、蓮の姿があった。

蓮も整った顔をしていてモテている。
それに優しいから、ファンも多く、告白もたくさん受けているみたい。

「蓮…結局はみんな顔なのかな」

「あ?何言ってんだ?」

蓮は心底不思議そうな顔をしていた。

まぁ、そうなるよね…



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