『アナタさ、』



「ねぇ、笑ってよ」

「…へ?」

「僕は葉月の笑顔が好きだよ」

そ、そんなこと…初めて言われた…
これは、その…

どうしよう、顔真っ赤だ。

「ゆでダコみたいだ」

「蓮見くんのせいだよ」

頭にのせられた手は、離されることなく、ポンポン、と、心地よいリズムを刻んでいた。

…なんだかすごく子ども扱いされてる気がする。

それでも、嬉しいんだけど、ね。

傷だらけだけど、傷は痛まなくて、彼に癒やされていく気がした。


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