発展途上の王国



わたしは改めて、
夏代くんの姿を確認する。



仕事場の一角が応接スペースになっている。

夏代くんはそのソファーの上でだらしなく仰向けで寝転んでいた。

額に触れると火傷しそうな熱さだ。



「今涼しくするからね」



まだ充分に換気ができているとは思えなかったけれど、
窓を閉めて冷房を入れた。

冷風が頬に触れて気持ちがいい。



「夏代くん、お水飲めますか?」



一向に起きない夏代くんの肩を叩いて、
わたしが来たことをアピールしておく。

夏代くんはうっすら瞳を開けて「むり」と唸った。


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