発展途上の王国
「風邪プラス熱中症とか、洒落にならないよ?」
すでに併発しているのかもしれなかったけれど、
喋れるようでなによりだ。
「身体が火照ってるね」
Tシャツの襟口からのぞく白い肌に、
くっきり浮き出た鎖骨。
そこに置いたわたしの手が冷たかったようで、
夏代くんの眉間に皺がよった。
「ごめんごめん」
離した手を夏代くんが捕まえて、
自分の額に持っていく。
「きもちいー」
刻まれた皺が伸びて、
眩しそうに瞳が細められている。