神様修行はじめます! 其の三
「ここが結界の境目じゃ」

「どうやら、まだ結界術は有効のようだな」

「うむ。弱まってはおるが、これでは通れぬのぉ」

「え? ぼく、ちゃんと紙垂を切ったつもりなんですけど・・・」


うん、確かに凍雨君はあの時に切ったよね。

あたし、ちゃんと見たもん。


「うぅむ、この結界は徐々に自己修復しているようじゃな」

「えぇ? 自己修復ってそんな、どうしよう」

「永久、どうじゃ? 解除できるか?」


門川君が印を組むために自分の両手を近づけると、バチッと強い光が飛び散って、手と手は反発してしまった。


「ふぅむ。まだ無理か」

「ああ。小さい分、術の濃度が濃いな」

「しかたないのぅ。さてどうするか」


ほんとにどうしよう。

ちょっとくらい紙垂を切っても、またすぐ自己修復しちゃうよね。

なんか別の方法ないのかな?


「この自己修復って、あのマロ当主がやってんの? マロってそんなに強い力の持ち主なの? マロなのに」


「マロでも端境一族の当主じゃ。腕は一流であろう。マロじゃが」


「ちょっとあんた達、なにマロマロ言ってるのよ? マロって誰よ?」


「あぁそっか。塔子さんはマロと会った事ないんだよね」


「あの、ぼく、戻ります!」


マロ連発のさなか、凍雨君が身を翻して走り出した。

「もう一度、紙垂を切ってみます!」

それに塔子さんが待ったをかける。

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