神様修行はじめます! 其の三
雛型のたまきさんが世を去って、あたしはてっきり、座り女も消え去ると思ってた。

だから、『世界はどうなってしまうんだろう』って、実はひとりで焦ってたんだけど。

分身の座り女は世界に残って、何事もなかったように、世界を守ってくれている。

・・・たまきさんが皆を守ってくれてるようで、なんだか嬉しかった。


でもいずれは、この座り女達も消えるらしい。

雛型がもういないから、これからは新しい座り女は生まれてこられないけど、その穴は端境一族が埋めてくれる事になっている。


千年前の悲劇が二度と起きないよう、体制を改善して、強化する案も練られている。

まだ時間はたっぷりあるらしいから、端境にも、世界にも、負担の無いようなシステムを考えて欲しいな。


・・・あ、そういえば!
あのウルトラ強欲因業ババ!

実はあのババ、この騒動の責任をまったく追求されなかった。

もーマジでほんっと腹立つんだけど!


でもババの責任を徹底追及すると、結果として、マロ達の事も追及しなきゃならなくなっちゃうんだよなぁ。

それは、いかにもよろしくない。

だから今回の件は、

『千年経って、雛型の寿命に限界がきたため、座り女の機能が一時停止した』


・・・って事で、強引に落ち着いた。

いろいろ突っ込みどころ満載な、ムチャな結論なんだけど、あっちもこっちも丸くおさめるためには仕方ない。


まあいいや。ババとの因縁はいったんお預けだ。

今度どっかで会ったら、コッソリ足でも引っ掛けて、腹いせしてやろう。

いつか本当の意味で、思いっきり引っくり返してやるからな!

覚えてろ~! ババめ!



「じゃあこのイモようかん、ぜひ使わせていただくわ」

「分かりましたわ。塔子さんもいろいろお忙しくて大変ですわね」

「ほんと、結婚式の準備がこんなに大変だとは思わなかったわ」


塔子さんがお茶を飲みつつ、溜め息をつく。

実は・・・・・・

塔子さんとマロは、この度めでたく結婚することになりました!!


わ~わ~わ~~!

あっぱれ! めでたや! パチパチ拍手喝さい~~!!

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