それが一摘みの恐怖であったとして
あの先生の話はいつもどこか狂気じみた不思議な考え方の話だった。
あんな話や事を一日中考えていたらとてもじゃないが正気の沙汰ではいられない。
でもあの先生はまるで決められたセリフを読むようにつらつらと言葉を並べ立てる。
それこそいつもの授業のように、決まりきったかのように。
あの先生の話を好きだと言う人もいれば生理的に無理だと言う人もいる。
私はどちらでもないといえばそうだが、出来ることならめんどくさい話は無しでお願いしたい。
そしてもっと出来ることならそんな話を帰りのホームルームで話すことも止めてほしい。
出来ることならさっさと帰りたい。
溜め息をつくことも許さないような静寂はそれまでの話と相まって異様な空気を醸し出していた。
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