ケチャップのないオムライス【短編】
「…か、みか、美華!!」
肩を揺すられて、目が覚めた。
安堵の溜め息をついて椅子に腰を下ろすトシユキが目に入った。
また同じ夢見ちゃった。
きっとまた、うなされてたんだろうなぁ。
「また怖い夢でも見たのかよ?」
「…そう」
「今度はどんな夢?ライオンに食われる夢?泥棒に刺される夢?」
「トラックに轢かれる夢」
トシユキは、私が毎回死ぬ夢を見ていると思っている。
こうやって起こされる度に、どうやって死んだのか答えなければならない。
もう何回も同じことをしているから、レパートリーがなくなってきているんだよね。