ケチャップのないオムライス【短編】



「お兄さん。私と飲みません?」


声をかけると、食いついてくるのが分かるその目。



「お、俺?」

分かっているくせに聞き返すなんて、確信犯ね。





「そう。だってお兄さん、すっごく美味しそうだから…」


耳元でささやくと、ゴクッと生唾を飲むその音。





これがたまらなくて、私は美味しいものを求め続ける。



まだまだ、やめられそうにありません。







end.
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