ケチャップのないオムライス【短編】
私のヒールに軽く当たりそれを拾って渡してあげると、
笑窪ができた愛嬌のある可愛い笑顔でお礼を言ってくれた。
私が彼から目線を逸らしても、
彼が私の顔をまじまじと見つめていることに、
柄にもなくドキッとしてしまった。
見られている。
こんなに可愛い男の人に。
私の何に興味があるんだろう。
食事をするには痛いくらい見られているから私は思わず、
あの、と声をかけていた。