ケチャップのないオムライス【短編】




久しぶりだった。

私たちの会話に感情が入っていることが。




貴史が心を通わせなかったのは、私のせいでもあることを
この時に知った。


ごめんね、と貴史に言いたかった。


貴史は、私を待っていてくれたのに。







貴史も私に謝りたそうにしていた。


ゆっくりと、悲しい目をしながら私に言った。



「明日、役所行こうか」




私はその意味をすぐに理解して、静かに頷いた。
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