ケチャップのないオムライス【短編】

「菜緒、今度また四人でご飯食べに行かない?」

職場で仲良くなった同期の友達からの誘いに上機嫌で頷く。


今の会社に入社してすぐに打ち解けあったこの子の彼氏を紹介してもらったのは、ちょうど半年前。

好きになるわけはないけれど、話しやすいし優しそうで、それなりにいい男だった。


でもその彼氏が連れてきた男は、もっともっといい男だった。

可愛い顔をしているのにワイルド系で、バイクが趣味で、甘いものが好きっていうギャップがあって。



それが木嶋さんだった。

私はもう確実に、木嶋さんにゾッコンだ。



時たま友達と彼氏と四人で食事するときには、じーっと木嶋さんを見つめてしまう。

分かりやすすぎる私の行動に、きっと木嶋さんは気づいている。



この間の食事の時だって、友達の彼に好きな人を当てられて図星だったんだから、本人にもきっとバレてる。
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