Loneliness
最早、無表情を取り繕う事は困難だった。
ぎっと所長を睨むと、
団長が俺の右腕を掴んで無理矢理 立たせた。
「何だ その目はっ!!」
「がっ……。」
腹に強烈な蹴りが入り、
冷たい床に肩を強かに打ち付けた。
それでも歯を喰い縛り、団長を睨むと、
今度は右側頭に回し蹴りを喰らった。
一瞬、意識が飛ぶ。
俺の意識が朦朧と したのを悟り、
団長は再び俺の右腕を掴み、
扉の前に引き摺り出した。
膝が、震える。
筋肉が落ちたせいでも、
暴力を振るわれたせいでもない。
これは――恐怖。
「……はっ。」
無意識の内に、鼻で笑っていた。
あれ程 多くの命を奪ったのに。
あれ程 死を望んでいたのに。
いざ、その場に立たされると、
恐怖しか出て来ない。
――怖い。
ああ、俺は何て弱く、
我儘な人間なのだろう。
ゆっくりと目を閉じる。
その瞬間。
「待って!!」
高く澄んだ声が聴こえた。