Loneliness



男の固い靴が、僕の お腹を蹴る。
それに倣い、他の男達も僕の躰を蹴り始めた。



手で顔と頭を庇いながら必死に耐える。
それでも、襲い来る痛みと吐き気に、
堪らず呻き声を上げてしまった。



どれくらい そうしていただろうか。
意識が段々 朦朧と して来て、
ああ、もしかしたら僕は
此処で死んでしまうかも知れない、
と思った時。



「テューロ!!」



村に逃げた筈のリューの声が聞こえて、
僕は はっと目を開けた。



リューの声に反応して
僕を蹴るのを辞めた男達の足の間から、
此方に向かって走って来るリューと、
鍬や鋤等の農具を持った村人達が見えた。



「辞めなさい!!」


「テューロを離せ!!」



口々に そう言いながら、
村で子育てを している女達が
鍬や鋤を振り回す。
女達だけではなく、
15、6歳の まだ村の外に
働きに出ていない青年達の姿も在った。



戦いの経験ならば、
僕達を襲った盗賊の方が沢山 在るだろうが、
村人達の数と剣幕に、
男達は じりじりと後ずさる。



男達の暴力から解放された僕に、
リューと、戦いに参加していない少女達が
駆け寄って来てくれた。



男達が働きに出ても村の安寧が保たれる理由。
子を育てる女性の強さ。
それ等を、僕は知った。


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