Loneliness
その時。
信じられないような事が起きた。
テューロが、
くっと小さく笑ったのだ。
初めて見た その笑顔は
この世のものとは思えない程 綺麗で、
あたしが思わず見惚れた時。
テューロは意地の悪そうな顔を した。
「それとも、
お前は男を誑かすだけの女か?
頭の回転が遅い馬鹿な女なのか?」
驚いて思考が停止していた頭が、
不意に すっと冷めた。
そして。
「ほんっと、あんたって最低っ!!」
あたしは両手が拘束されている
テューロの足の間に手を突っ込み、
“それ”を思いっ切り握ってやった。
「なっ……!」
テューロの顔が
真っ赤に染まるのを見ながら、
あたしは昨日と同じように
独房を飛び出したのだった。