私の中のもう一人の“わたし” ~多重人格者の恋~
「私がため息ついたり『素敵……』って言ったのは、お姉様と大輔さんを見てなのよ? 素敵なカップルだなあって。いいなあと思って」

「そ、そうなのか?」

「うん。私も剛史さんと素敵な恋がしたいなあと思ったの」

「す、すればいいんじゃね?」

「うん、しよう? ねえ、キスして?」


私は剛史さんの首に腕を巻きつけ、体を密着させて上目遣いでおねだりをした。そんな私の行動に驚いたのか、剛史さんは戸惑うような顔をした。

そんな彼がもどかしく、私は背伸びをして自分から彼に口づけた。そして彼の乾いた唇を舐め、舌をその中に差し込んでいくと、ようやく彼も応えてくれ、私の頭を手で押さえると、荒々しく私の口の中を犯し始めた。

ああ、すごいわあ。頭が変になりそう……


貪り合い、求め合うような激しく長いキスの後……


「裕美、ベッドへ行こう?」

「その前にシャワーを浴びなくちゃ、イヤ」

「そうだな。どっちが先に浴びようか?」

「ん……一緒に、ってどう?」

「一緒? お、俺は別に構わないけど、いいのか?」

「いい。恥ずかしいけど、あなたに洗ってほしいの。なんだか体に力が入らなくて……」


実際のところ、私は剛史さんに支えてもらって、立っているのがやっとだった。


「わ、わかった。服も俺が脱がしてやるよ」


そう言って剛史さんは、私を軽々と抱き上げてくれた。


その夜は長く、激しかった。そして、私は生まれて初めて女の悦びというものを知った。もちろん剛史さんによって……

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